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「【新版】日本語の作文技術」を読んだ

「【新版】日本語の作文技術」を読んだので、今後自分の中で文章を書く際に、ポイントを引き出せるようにまとめておく。

本書の裏表紙には、こう書かれている。

「目的はただひとつ、読む側にとってわかりやすい文章をかくこと、これだけである」。修飾の順序、句読点のうちかた、助詞の使い方など、ちゃんとした日本語を書くためには技術がいる。

これまで、いろんな文章を書いてきたけれど、修飾の順序や句読点のうちかた、助詞をどう使うかなどはあまり気にしてこなかったように思える。 この本を読んで学んだことをこれから実践し、読む側にとってわかりやすい文章にしていきたいと思う。

以降は、本書を読んだ際のポイントを自分なりにまとめたものである。

修飾する側とされる側

ポイント:修飾する側、される側が離れすぎている場合、わかりにくい文章となる。

文章がわかりにくい場合には、修飾する側と修飾される側を化学構造的に書き表してみる。どの単語がどの単語を修飾しているのか、という関係性を見ていくとわかりやすい文章となる。

修飾の順序

修飾語の語順には4つの原則がある。
特に、1.と2.が重要である。

  1. 節を先に、句をあとに
  2. 長い修飾語ほど先に、短いほどあとに
  3. 大状況・重要内容ほど先に
  4. 親和度(なじみ)の強弱による配置転換
  1. の理由としては、句が節よりも先にきてしまうと、句が節の中の先の方の名詞を修飾してしまうからである。 例えば、紙を形容する修飾語が「白い」、「横線の引かれた」、「厚手の」という3種類だった場合を考える。 この場合、句が節より先に来る場合、「白い厚手の横線の引かれた紙」となる。これは、「白い厚手」が「横線」を修飾することになってしまう。一方、節が句より先に来る場合は「横線の引かれた厚手の白い紙」となり、わかりやすい。

  2. は、単純に短い修飾語をあとにしたほうがわかりやすい文章になるという原則である。 例えば、本書の中で書かれている以下の文章では、(A)のほうがわかりやすい。これは短い修飾語である「私は」があとにきているからである。

(A). 「明日はたぶん大雨になるのではないかと私は思った。」
(B). 「私は明日はたぶん大雨になるのではないかと思った。」

句読点の打ち方

第一原則 長い修飾語が二つ以上あるとき、その境界にテンをうつ。
第二原則 原則的語順が逆順の場合にテンをうつ。

また、この原則以外に思想の最小単位を示す自由なテンがある、と本書にはある。 第二原則における原則的語順が逆順とは、修飾の順序の「節を先に、句をあとに」や「長い修飾語ほど先に、短いほどあとに」の原則が使われていない場合である。この場合、テンが必要になってくる。

漢字とカナの使い分け

漢字とカナは併用すると視覚としての言葉のまとまりが絵画化されるので、わかりやすくなる。 そのため、どういうときに漢字を使い、どういうときに使うべきではないか、は上記のイメージを持てば使い分けできる。 例えば、以下の文章を考える。

  • その結果今腸内発酵が盛んになった
  • その結果いま腸内発酵が盛んになった

前後で漢字が続けば、「いま」と書く方がわかりやすいし、ひらがなが続けば、「今」と書くほうがよい。そのため、この文章であれば、後者の文がわかりやすい。

助詞

係助詞「ハ」

係助詞「ハ」 には題目を表す使い方と対照(限定)を表す使い方がある。
題目を表す使い方であれば、「象は鼻が長い」
対照(限定)を表す使い方であれば、「蛙は腹にはヘソがない」

「まで」と「までに」

  • 来週までに掃除せよ
  • 来週まで掃除せよ

「までに」という表現であれば、来週までに一度掃除すればよいということがわかるが、 例えば、「来週まで掃除せよ」であれば、来週まで一週間掃除しつづけるようにもとれる。

接続助詞の「ガ」

「〜が」の用法には、反対や因果関係もなく、「そして」というような二つの句を繋ぐ使い方がある。これは読む側が逆説かな、と思ったりすることもあるため、読みにくくなる。

並列の助詞

サルとイヌとネコとがけんかした

例えば、「サルとイヌとネコがけんかした」という文章だと、サルとイヌのペアがネコとけんかしたともとれる。これを防ぐために、「とが」をつけることで三者が入り乱れてけんかしたことを表現できる。

また、日本語は後置詞的言語であるため、以下のように記載する方が良い。

  • ○ 出席したのは山田と中村・鈴木・高橋の四人だった。
  • × 出席したのは山田・中村・鈴木と高橋の四人だった。

段落

段落はかなりのまとまった思想表現の単位である。 段落ごとに何を言いたいのか、何を述べたいのか、を意識して書くことが重要である。

段落のいいかげんな人は、書こうとしている思想もまたいいかげんで、不正確で、非論理的だとみられても仕方がないであろう。

まとめ

最後に、本書で読んだことを意識して文章を書いていきたいと思う。